ARTcollectors' in Asia

私たちの知らないアジア、「Tell Me a Story: Locality and Narrative」@RAM

Translations:

Installation view

上海のロックバンド・アート・ミュージアム(以後RAM)では、8月14日までに「Tell Me a Story: Locality and Narrative」展を開催。區秀詒(Au Sow-Yee)、陳界仁(Chen Chieh-Jen)、郭熙(Guo Xi)及び張健伶(Zhang Jianling)、Haejun Jo及びKyeong Soo Lee、MAP Office(Laurent Gutierrez、Valérie Portefaix)、フィールド・レコーディング(Li Xiaofei, Jim Speers, Clinton Watkins, Tracey Guo, and Tu Neill)、蘇育賢(Su Yu-Hsien)、田中功起、Watan Wuma、アピチャートポン・ウィーラセータクン、米田知子の11組のアーティストが出展。それぞれのアーティストの独自な視点で、アジア各地域からの11の物語を語り、私たちが知らないアジアの一面を提示してくれた。展覧会のキュレーションは、台湾出身のインディペンデント・キュレーター、鄭慧華(エイミー・チェン)と同館のキュレーターである謝豊嶸(シェイ・フォンロン)が担当。

Tomoko Yoneda, Looking at "The Three Brothers" rocks by a prisoner-dug tunnel: Alexandrovsk-Sakhalinsky, 2012, Chromogenic print, 65 x 83 cm, Copyright© Tomoko Yoneda, Courtesy ShugoArts

国境、意志や生活環境の違い、その境界線にいる人たちに焦点を当てたのは、アピチャートポン・ウィーラセータクン、フィールド・レコーディングと米田知子。アピチャートポンは、タイの北部にある寺を舞台に、光や音で演出する映像インスタレーション作品を展示。タイの北部が20世紀70年代に共産主義が伝えてくる窓口とされ、当時の社会不安と米軍による空爆の記憶は今でも人々の頭に浮かぶ。フィールド・レコーディングは5つの映像で、水上生活者の日常生活と、研究者による人間と環境の関係性、そして水陸境界域の生存危機を伝えてきた。

帝政ロシア時代に囚人が流刑され、アイヌたち複数の先住民たちの故郷であるサハリン島。米田知子が島の現状とその後ろに含まれる歴史を写真で静かに語る。「米田の作品は観客をより奥深い時空に誘う力を持っています。それは彼女の作品における最も大きな魅力だと思います。本展で展示されたシリーズも非常に洗練された作品です。島で撮ったただ8枚の写真で、19世紀から20世紀まで日本とロシアが島をめぐるせめぎ合い、そして第二次世界大戦後ロシアが島の所有権を主張し、島に住んでいた日本人を追放したまで至る歴史が伝わってきます」とエイミー・チェンが語る。  

Koki Tanaka, Provisional Studies: Workshop #1, “1946–52 Occupation Era and 1970 between Man and Matter”, 2014–2015, Action, workshop, video, documentation, Dimensions variable, This project is realized with the support of Deutsche Bank and Parasophia: Kyoto International Festival of Contemporary Culture 2015

一方、田中功起や、MAP OFFICE、郭煕と張健伶たちによる、ある時間帯または空間の歴史をモチーフに展開していく作品や、現実と虚構を混ざることで、過去と未来の物語を探る作品も展示している。MAP OFFICEは未来の香港アイランド図を作り、未来の同地域のエコロジー、領域、エコノミック・システムと生活状況を「予言」してみた。郭煕と張健伶の作品「大航海:名前の由来」は大航海時代からインスパイアを得て、otakaという品種のアジサイの名前の由来を調べるため、ヨーロッパとアジアの異なる文化の中に自分たちの航海が始まった。

そして、田中功起が昨年に京都市美術館で制作した「一時的なスタディ:ワークショップ#1『1946年~52年占領期と1970年人間と物質』」。バスケットゴールスタンド、バスケットボールと、布、一見美術館と関係のないものですが、実はかつて京都市美術館で起こった2つの歴史的な事件に深く関係がある。1946年から1952年の間、米軍に接収され美術館の展示室は兵士たちのために、バスケット場として使われていた。また、1970年の第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)では、アメリカ人アーティストのクリストが同じ空間で作品を展示した。田中の作品には、応募してきた京都の学生たちが、美術館の中にバスケットをしたり、クリストの作品を再演したりする様子が記録された。「田中功起は昨年にこの素晴らしいプロジェクトを京都で行われました。彼が京都の学生たちに、第二次世界大戦後米軍による占領を含め、特別な歴史期間で発生した事件や問題を再考させました。そして、5つのワークショップとパフォーマンスを通して、戦争、国のアイデンティティと、過去数十年の間に形成した東アジアの近代性について、新たな問題点と議論を引き起こしました」とエイミーが作品を解説した。

米田知子と田中功起が今回出展した作品について、エイミーが「日本とアジア諸国の関係を見てみると、アジアが現代化に発展していくプロセスにおける日本の役割が非常に大きいです。アーティストたちの作品は、私たちが日本とアジアの関係性を体系的に理解するのに重要であると思います」と語った。

Tell Me a Story: Locality and Narrative

会期:開催中〜8月14日(日)

会場:ロックバンド・アート・ミュージアム(20 Huqiu Rd, Huangpu, Shanghai)

http://www.rockbundartmuseum.org

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...