Take Ninagawaで蜷川敦子さんに今回のArt Basel in HongKongについてインタビューをした。
─香港での展示内容について教えて下さい。
Take Ninagawaは、4つのセクションのうちのDiscoveriesというセクションで展示をします。Discoveriesは次の世代を担う若いタレントの個展、あるいは2人展を紹介するセクションで、Take Ninagawaでは2007年にドクメンタに参加し、国内外の美術館や国際展で紹介されている青木陵子さんの個展を予定しています。青木陵子さんは、繊細な線と色と形の織りなすワークスオンペーパーのインスタレーションで知られる作家さんですが、香港ではそれに加えて、紙と立体を組み合わせたインスタレーションを紹介したいと思っています。4月からは資生堂ギャラリーで「椿会展 2013 – 初心」という展覧会に参加されるので、重ねてご覧頂ければ嬉しいです。
─全部で何点くらい出される予定ですか?
紙の点数でいうとかなり多いと思いますが、紙一点というよりもインスタレーションで販売しており、新作ができるのを待っている状態ですので、点数はまだはっきりしません。
─Discoveriesのセクション全体の出展数は変わりますか?
今年はArt Basel Hong Kongの初回となり、Discoveries自体も新しいセクションです。昨年のArt HKのArt Futuresが35件のエマージングギャラリーを対象にしていたのに対して、出展件数27件の画廊および作家に年齢制限は課されていません。ブースサイズは4 x 6 メートルです。
─香港の魅力はなんですか。
フェアの成功が、香港をアジアにおける国際交流の中心にしたと思います。私の知る限り、ヨーロッパのコレクターの方が香港に移住されて、香港の中でコレクターのコミュニティーを作っていくという動きがありました。コミュニティーを作る動きがコレクターベースでおこったということと同時に、それまでも活動していた非営利団体がそれに関わり、交流と教育の場を提供できたことは大きいと思います。Asia Art Archive (AAA)という研究機関と、パラサイトという非営利のプロジェクト・スペースが主に活動しています。2017年にはM+という美術館が開館し、アートシーンの基盤が整備されて行く中で、香港の中からLee Kit(李傑・2013年ヴェネチアビエンナーレ、香港パビリオンの代表)のようなアーティストがたくさん育っていけば、より強いアートシーンができると期待しています。
(2月7日、Take Ninagawaにて)