ARTcollectors' in Asia

アートフェア東京エグゼクティブ・ディレクター・金島隆弘にインタビュー

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Category: art fair, interview

3月22日〜24日まで開催されるアートフェア東京のエグゼクティブ・ディレクター・金島隆弘さんに、東京鶯谷にあるアートフェア東京事務局でインタビューをしました!英語版、中国語版はこちら。

─今年のアートフェアは3月22〜24日までで、会期が去年より1週間ほど早まりましたね。

金島:今年は、東京で行われるアートのイベントをより楽しんでもらえるように六本木アートナイト、G-tokyoと協力して時期を合わせることができました。海外のお客様にとってもお越し頂きやすいのではないでしょうか。 

─一昨年は43,000人、昨年は53,000人と入場者数も増えて、年を重ねるごとに注目が高まっていますね。

金島:ありがとうございます。参加されるギャラリー、企業の皆様にご支援いただき、少しずつですが規模が大きくなっていて、大変感謝しております。

─昨年は164軒、今年は142軒とギャラリーの店舗数が減っているのは、審査基準が厳しくなったのでしょうか。

金島:審査は毎年同じように行っていますが、各ギャラリーからの広いブースの申し込みが増えたためです。会場の導線やレイアウトを見直し、通路も広げることで作品が見やすいように工夫しました。

─具体的な企画についてお伺いしたいのですが、Discover Asiaは、どのようなエリアですか。

金島:日本も含め台湾や韓国、東南アジアの現代アートを集めたエリアです。そのひとつのSoutheast Asian Flashではクスウィダナント・ジョンペットやロデル・タパヤといった東南アジアの作家を集めて紹介します。通常のブースではなかなか展示することの難しい、ダイナミックな作品を中心に紹介し、日本でも注目が高まりつつある東南アジアのアートを楽しんで頂ければと思っています。

─Tokyo Limitedは、ジュエリーなど幅広いジャンルを扱うセクションですね。

金島:はい、昨年Contemporary Jewelryというセクションを実験的に設け、大変好評でした。今年は日本の工芸やファッション、写真など、ファインアートの文脈では語られなかったジャンルを紹介してさらに多様化させています。バーゼルにUnlimitedというセクションがありますが、その対義語で「limited」、東京は制限があるけど面白い、という意味も含まれています。テーマは”small but mature”です。日本にはもともと掌の美や侘び寂びなど、日本ならではの洗練され、成熟された美意識があると思いますので、そういった私たちなりの表現、価値、マーケットを考えていこうというきっかけでTokyo Limitedを立ち上げました。アートフェア東京ならではの、古美術から現代美術までという特徴につながるようなストーリー作りを心がけています。

─昨年、Artistic Practiceプログラムのひとつとして山下裕二先生がプロデュースされた「ShuffleⅡ」にはその考えがよく現れていたように思います。

金島:そうですね。Artistic Practiceはいつの時代にもどのジャンルにも芸術的な実験があるということを軸に、日本の美術を多角的にプレゼンテーションする場にしていきたいと思います。今年は元総理大臣で、現在はアーティストとしても評価されている細川護熙さんの展示をご覧いただきます。テーマは日常の中に美術があるということ。美術館にだけ美術があるわけではなく、私たちの生活の中の美術や、美術に囲まれるということについて考えるきっかけになればと思います。今回は書と陶器、それから茶室の再現を中心に展示する予定です。

─去年は一昨年に比べて売上げが伸びたともお聞きしました。

金島:今までで一番多かったのは確かです。今年はアートフェア東京以外のアートイベントも時期が重なっているので、海外からのお客様も増えるのではないかと期待しています。さらに国内でもアートをコレクションする感覚が少しずつ広がってきているようにも感じます。アートフェアにいらっしゃったら、まずはギャラリーの方々とコミュニケーションを取って、そして次には実際にギャラリーに足を運んでいただいて、アートをもっと身近なものとして考えて頂けるようになるといいですね。

─今後5年、10年スパンでの目標はいかがでしょう。

金島:アートフェアにはアートマーケットを育てていく役割もあると思いますので、例えばコレクターを育てる学校を作ることや、ギャラリーマネージメントを支援する企業を見つけることなど、一過性ではないストーリーを考えています。フェアは4日間だけのイベントなので、できることは限られますが、フェアに来て面白いと思ったら、翌年のフェアまでに更に勉強してまた買いに行くというひとつのサイクルを作ってみたいと考えています。 また、私たちはバーゼルやフリーズになろうということではなく、むしろバーゼルやフリーズができないことをやっていこうと思っています。他の国ではできないことを形にして世界に見せるというのが次の世代の国際性。日本がこれまで育んできたマーケットのいい部分や私たちなりの表現には自信を持ちたいですし、逆にこの特殊性が評価される時代が来るのではないかと思っています。

─金島さんは昨年から中国で展覧会を開催されていますね。

金島:はい、成都にあるA4現代アートセンターで日本の現代美術を紹介する展覧会「平行的極東世界」(2012年12月1日〜2013年3月24日)を企画しました。もともとは10月に開幕する予定だったのですが、日中の諸問題で延期せざるを得なくなりました。ただ私たちが準備を一緒にしていた会場側の美術館は民間企業が運営されていて、政治的な問題でアートや文化が影響を受けるべきでないという強い信念をお持ちでしたので、12月に実現することができました。 展覧会は安全を考慮し事前申し込み制を採っていますが、毎週色々な方が見に来られているようです。お越し頂いた方からは今の日本の側面が見えるいい展覧会だといったご意見を頂き、大変嬉しく思っております。海外における活動に関しても、その中でアートに興味を持って頂き、実際に日本のアートフェアに足を運んで下さる方が増えたらいいですね。色々な方法で文化交流をさらに活性化し、できることから少しずつ未来へつなげていきたいです。

かねしま・たかひろ
アートフェア東京エグゼクティブ・ディレクター。FEC代表。東アジアにおける現代美術のリサーチプロジェクト、作家の作品制作支援、交流事業等を手がける。1977年、東京生まれ。

アートフェア東京
日時: 3/22, 1100〜2100, 23日, 1100〜2000, 24日, 1030〜1700 場所: 東京国際フォーラム 入場料: 1-Day Passport 2,000円, 3-Day Passport 3,500円 (前売り券はそれぞれ1,500円、 3,000円) ウェブサイト: http://artfairtokyo.com/en/

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